どうも、零士です。
スーパーなどに行きますと様々な種類の牛乳が売っていると思います。「低脂肪乳」や「特濃」、「成分無調整乳」など実にいろいろなタイプ・メーカーの牛乳が置かれています。
これだけあるとどれを選んだらいいのか迷ってしまいますよね。
しかし、実は同じ牛乳だと思っていたものが実は牛乳ではない場合もあると言うのをご存知でしょうか?
例えば「特濃」といった非常に濃くて深い味わいを持つ牛乳も最近は多く見かけます。味が濃くて非常においしいですよね。しかし、こちらの「特濃」となっているのは正確には牛乳ではありません。
裏面などに記載されている商品説明の種類別名称をよくみると恐らく「乳飲料」や「加工乳」と記載されていると思います。
「乳飲料」や「加工乳」は種類でいうと牛乳とは区別されているんです。
じゃあ牛乳って何?と思う方もいると思います。
普段何気なく飲んでいるミルクですが、大きく分類して下記の6タイプがあります。
ミルクの種類6タイプ
実は「牛乳」と呼べるのは、生乳(牛の乳からしぼったミルク)を100%使用しているものだけなのです。生乳以外の物を加えたり、生乳から除去したりしたものは牛乳とは呼べません。
しかし、牛乳を加工した様々な商品がでていますが、大きく6タイプに分類する事が出来ます。
成分無調整牛乳(牛乳)
生乳を殺菌し、そのまま詰めた牛乳。乳脂肪分が3.0%以上含まれているものです。こちらが正式な「牛乳」と呼べるものです。
成分も調整していませんので、ミルク本来の味わいがあります。
成分調整牛乳
生乳から、乳成分(脂肪・ミネラル・水分等)の一部を取り除いたもの。乳成分を調整する事により、飲みやすくしたものです。基本的にはほぼ生乳ですので牛乳と比べても遜色ありません。
低脂肪牛乳
成分調整牛乳のうち、生乳から脂肪分のみを除去し、脂肪分を0.5~1.5%に調整したもの。
無脂肪牛乳
成分調整牛乳のうち、生乳から脂肪分を除去し、脂肪分を0.5%未満に調整したもの。
加工乳
生乳に「脱脂粉乳」や「バター」、「クリーム」などの乳製品のみを加えたもの。濃厚タイプや低脂肪タイプなどがある。
乳飲料
生乳や乳製品を主原料に、乳製品以外のものを加えたもの。ビタミンやカルシウム、コーヒーや果汁などを加えたものなどがあります。
乳類の成分規格
上記の乳類にはそれぞれ成分の規格が決まっています。それぞれに定められた成分量の規格を満たさなければなりません。
種類別 | 使用割合 | 成分 | 衛生基準 | |||
乳脂肪分 | 無脂乳固形分 | 細菌数(1mlあたり) | 大腸菌群 | |||
牛乳 | 生乳 100% | 3.0%以上 | 8.0以下 | 5万以下 | 陰性 | |
成分調整牛乳 | 成分調整牛乳 | ー | ||||
低脂肪牛乳 | 0.5%以上1.5%以下 | |||||
無脂肪牛乳 | 0.5%未満 | |||||
加工乳 | ー | ー | ||||
乳飲料 | ー | 乳固形分3.0%以上 | 3万以下 |
上記の規格により乳類の分類が決まります。
購入した牛乳がどの分類に入るのかは、裏面の成分表示欄で確認する事が出来ます。そこに「種類別」の表記がありますのでそれをみればどれに分類されているか知る事ができます。
低脂肪牛乳は「牛乳」よりも栄養価が少ないのか?
低脂肪牛乳は文字通り、脂肪分が少ない牛乳であり、通常の牛乳と比べた場合、「カロリー」、「乳脂肪分」が少ない牛乳となっています。一見すると栄養価が少なくなっているようにも感じますが、重要な栄養素であるたんぱく質やカルシウムなどの無脂乳固形分は普通の牛乳と同等かもしくはそれ以上に含まれているものも存在します。
低脂肪牛乳は脱脂粉乳を加えて代わりに脂肪分を除去しています。脱脂粉乳にはたんぱく質やカルシウムが多く含まれているので栄養価的には普通の牛乳よりも高くなる物が多いです。
カロリーを気にしている方には低脂肪乳の方がお勧めと言えるでしょう。
しかし、低脂肪乳は乳脂肪分が少ないため、「味が薄い」と感じる方も多くいると思います。自分の味覚に合うならば低脂肪牛乳方がお勧めです。
低脂肪牛乳は普通の牛乳よりも何故安いのか?
牛乳売り場を見てみると、実に様々なタイプの牛乳が置いてあります。多くの方が気づいているとは思いますが、通常の牛乳よりも低脂肪牛乳の方が安い場合がほとんどだと思います。
通常の牛乳と低脂肪牛乳を比較した場合、低脂肪牛乳は脂肪分を除去し、脱脂粉乳を加えるという手間が発生します。それにも関わらず低脂肪牛乳の方が安いのは何故と疑問に感じる方もいるかも知れません。
低脂肪乳の方が安いのは、取り除いた乳脂肪分がバターや、チーズと言った乳製品の加工に転用ができるため、その分価格を安くする事ができるのです。
ちゃんとした理由があるんですね。
牛乳を飲むとお腹を壊してしまう人もいる
栄養価が高く、子供の成長において重要なカルシウムなどを豊富に含む牛乳は、学校給食にも取り入れられている事が多いです。
しかし、体質によっては牛乳を飲むとお腹を壊してしまう人も存在します。
お腹を壊す原因は牛乳に含まれる「乳糖」が原因です。乳糖は自然界では乳にのみ含まれる糖であり、構造としては単糖類である「ガラクトース」とブドウ糖である「グルコースが結びついた形をしており、「二糖類」と呼ばれます。
しかしこの乳糖を消化する酵素が少なかったり、働きが弱かったりすると体内で消化できず、腸内でガスを出して腸を圧迫したり、下痢をしたりする事があります。これを乳糖不耐症といいます。
乳糖は乳幼児にとっては非常に重要な栄養素の一つです。乳幼児は乳糖を分解する乳糖分解酵素の働きが活発ですが、大人になるにつれて弱くなる人もいます。
この働きが弱ってくると牛乳を飲んだ際にお腹の調子が悪くなるのです。また一度そういう経験をしたことにより、「牛乳を飲むとお腹を壊す」と自己暗示にかかり実際に調子が悪くなってしまう人もいます。
牛乳でお腹を壊してしまう場合に試して欲しい方法
温めて少しずつ飲む
冷たい牛乳よりも体温に近い温度にした牛乳の方が飲んだ際に胃や腸にかかる刺激は弱くなります。冷たいものをたくさん取りすぎるとお腹を壊してしまう場合がありますが、温かい飲み物でお腹を壊してしまうという事はあまりないと思います。
他の食品と一緒に飲む
牛乳単独で飲むよりも、他のものを食べながら飲むことで胃や腸での吸収が抑えられます。それにより、多少の効果が期待できます。
乳糖をあらかじめ分解してある乳飲料などを選ぶ
牛乳の中にはあらかじめ、乳糖を分解してある商品もあります。そういった牛乳であれば、お腹を壊す心配もありません。
ヨーグルトやチーズを食べる
ヨーグルトは牛乳に乳酸菌を加えて発酵させたものです。乳酸菌自体がラクターゼ(乳糖分解酵素)を持っていますので乳糖が一部分解されている状態となっています。ですので牛乳に比べてお腹を壊しづらくなっています。またチーズは製造工程において、乳糖がほぼ取り除かれてしまうためお腹を壊す心配がほぼありません。
まとめ
普段は牛乳と一括りにしてしまう事が多いですが、厳密には細かく分類されます。どれがいいと言う訳ではなくそれぞれに特長があり、自分に合った牛乳を選ぶといいでしょう。
同じ牛乳でも味わいなどは違いますので実際に飲んで、「美味しい!」と感じた商品を選ぶといいでしょう。
それではまとめです。
・ミルクは6タイプに分かれる
・さまざまな乳類の中で牛乳と呼べるのは「成分無調整牛乳」のみ
・低脂肪乳は脂肪分を取り除き、それをバターやクリームなどに加工できるため価格が安め
・牛乳でお腹を壊す原因は牛乳に含まれる「乳糖」
・牛乳でお腹を壊してしまう人は温めて飲んだり、他の食品と一緒に摂取するなど工夫次第で症状を緩和できる
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